作:保田 琳
『メカニカル シルエット・シンプル』は架空のホビーロボットを題材にしたペーパークラフトゲームです。
プレイヤーはロボットアニメに登場しそうな自分だけの機体(シルエット)を作成し、コアを破壊されるか倒れるまで破いたり切ったりしながら対戦して遊びます。
『メカニカル シルエット・シンプル』は『メカニカル シルエット』の「切って立たせて壊す」面白さを残しつつ、シルエット設計、バトルのルールを軽量化した作品となります。
遊び方について
メカニカルシルエットは以下のような手順で遊びます。
- 印刷
- コンプリで用紙を印刷します。
- 準備(プレイヤーひとりにつき)
- 鉛筆またはシャーペン、消しゴム、はさみ、6面サイコロ2個(なくても遊べます)
- シルエット設計
- シルエットを作成します。
- バトル
- 作成したシルエットを用いてバトルします。
- ゲームエンド
- シルエットが倒されなかった陣営の勝利です。
シルエット設計
機体(シルエット)を作成
①武装の配置➡②シルエットの作成➡③組み立て作業の順に行う。
武装の配置
以下の武装を20枠に配置する。略号を枠に記入する。また、20枠は必ず縦横斜めに隣接するよう作ること。
シンプル版では20枠を目安とした機体を下書きできるようになっているが、下書き通りにつくる必要はない。
武装名 | 略号 | 枠数 | 分類 | 効果の説明 |
---|---|---|---|---|
コア | ☆ | 1 | 頑丈 | 破壊されたら戦闘不能になる。必ず1枠だけ入れなければいけない。 |
装甲 | ◇ | 1 | 頑丈 | 切り込みすると、隣接枠のダメージを肩代わりできる。 |
脚部 | ll | 2 | 頑丈 | 土台との接地面。縦軸1の列に必ず2枠は入れなければならない。 脚部を配置した縦軸1の枠下にある接地面(▲)を塗ること。 |
マシンガン | M | 1 | 攻撃 | 2回攻撃する。 |
アサルトライフル | A | 2 | 攻撃 | 1回攻撃する。横軸±1の枠にも着弾する。 |
ブレード | B | 2 | 攻撃 | 1回攻撃する。縦軸±1の枠にも着弾する。 |
キャノン砲 | C | 2 | 攻撃 | 1回攻撃する。着弾すると、着弾枠の隣接枠にもダメージを与える。 |
ガトリング砲 | G | 2 | 攻撃 | 3回攻撃する。 |
誘導ミサイル | H | 2 | 攻撃 | 1回攻撃する。着弾枠を自由に指定する。 |
頑丈な武装は、1回の着弾では破壊されず、切り込み(1枠1回限り)を入れるだけで済む。
攻撃武装は、敵を攻撃するのに必要。必ず1つ以上配置しよう。
枠数2の武装は、同じ武装同士が隣接する枠に配置する。間に武装名を書いておくとわかりやすい。
シルエットの作成
シルエットの形はいくらでも簡単にしてよい。
パーツや接続、外付武装をすべて含めたシルエットの輪郭線を作成する。
・縦軸1の接地面(▲)のある枠は土台とくっつくように輪郭線を書く。
・脚部以外の武装を配置した縦軸1の枠は土台と離すように輪郭線を書く。
・シルエットで枠と枠の白線を残すように切ると、隣接枠として扱う。
・ディティールは細かくなくても、機体の性能に影響しない。
シルエットを太くすると組み立て作業時に倒れる心配が少なくなる。
箱型のようなシルエットだとキャノン砲へ非常に弱くなるので、ある程度複雑にした方がよい。
図1
図2
隣接枠
隣接枠は、縦横斜めに枠と枠の白線が繋がっている状態を表す。
図1で見ると、シルエットによって白線が分断されている部分は隣接枠ではないことがわかる。
図2は、4-3にある装甲(◇)を使った際の範囲を示す。白線で繋がる5ヶ所は隣接枠となるが、他の3ヶ所は白線で繋がっていないため隣接枠とはみなさない。
すべての枠を繋げるとキャノン砲に対して弱いシルエットになってしまう。
組み立て作業
- ①土台に折り目を付ける
- シルエットが完成したら、切る前に折り目を付ける。
まず、横軸のすぐ下にある谷折り線に沿って横に折る。
- ②中心線に折り目を付ける
紙を開いて、今度は中央を縦に山折りする。
さらに、土台部分の斜めの谷折り線を折る。斜めの部分は裏表になっている左右両側とも谷折りにして、折り目をつけること。
- ③シルエットを切る
- ハサミを手に取り、シルエットの輪郭を切って不要な部分を取り除く。
・中央の穴の部分は半分に折った所からハサミを入れるときれいに切り取れる。
・立たせる必要があるため、土台から切り離さないよう注意すること。
- ④シルエットを立たせる
- ①の横軸すぐ下の谷折り線を折りつつ、土台の両端を中央に寄せて、②でつけた折り目に沿って中央の出っ張りを立たせる。
シルエットが山折りのままだと立たない場合があるため、谷折りするとよい。
- ⑤出っ張りを止める
- 視点を変え、横から見ると土台の中央の出っ張りがよくわかる。出っ張り部分の谷折り線に沿って折る。
出っ張りを折ることで開きにくくなり、より安定する。
立たない場合は、縦に筋をつけるなどすると立ちやすい。
・重心が高いなどでどうしても立たない場合はシルエットを切って軽量化できる
・軽量化時に枠を切ったら、当然その枠の武装は使えなくなる。
記入
コードネーム、機体名を記入する。タイマンバトルなら無記入でも遊べる。
コードネーム、機体名は自由につけてよい。コードネームはプレイヤーがこのゲームを遊ぶ時の名前であり、機体名はそのシルエットの名称や愛称となる。
思いつかない場合は下記の表を用いるとよい。D66とは、サイコロを2つ振り、白系を縦軸、黒系を横軸として出目を参照することを表す。
コードネーム
⑥ | アーク | デニム | トマト | イレブン | イーグル | ファントム |
⑤ | イーバル | トム | バナナ | ナイン | レイブン | デュラハン |
④ | ウーパー | キャット | メロン | シックス | ファルコン | バルキリー |
③ | エックス | タイガー | オレンジ | ジョンドゥ | ラプター | ガーゴイル |
② | オードリー | ワードック | アップル | アン | スパロー | エンゼル |
① | マックス | ヴァイス | チェリー | ゼロ | チキン | デビル |
D66 | ❶ | ➋ | ❸ | ❹ | ❺ | ❻ |
機体名
⑥ | アージェイ | スラッシュ | カーネイジ | ドール | グリフォン | SS06 |
⑤ | イーター | テンペスト | オメガ | フロント | ヴァディス | SA10 |
④ | ウンドラ | バーニング | マーチ | ジャケット | バーチャ | SF04 |
③ | エース | カスタム | ブラッド | ブレイブ | ウォリア | SB03 |
② | オーバル | ライトニング | ギアス | ピット | ファング | SX78 |
① | アカツキ | オボロ | クロガネ | ヒスイ | サクラ | MA96 |
D66 | ❶ | ➋ | ❸ | ❹ | ❺ | ❻ |
バトル
準備
ゲームプレイによってレギュレーションが異なる。
タイマンバトル
1対1の戦闘。6ラウンドまで戦い、どちらかが戦闘不能になったら即座にバトル終了する。立っていた方が勝者。
順番決めの仕方
以下の2通りから選択する。
①じゃんけんして勝った方が1、負けた方が2と書くこと。
②サイコロを1コ振り合い、出目がより低い方が1、高い方が2と書くこと。同値なら振り直しする。
集団バトル
2対2など、同じ数同士のプレイヤーでのチーム戦。6ラウンドまで戦い、どちらかのチームが過半数戦闘不能になったら即座にバトル終了。より多く立っていた陣営が勝利する。
順番決めの仕方
チーム分けをした後、チームの代表がじゃんけんして先攻後攻を決める。その後、同じチーム内でサイコロを1コ振り合う。
先攻と後攻で順番が交互になるように、各チームのサイコロの出目が低い人順に以下の数値を低い順から書いていくこと。同値なら振り直しする。
先攻:1・3・5・7 後攻:2・4・6・8
ラウンドの開始
プレイヤーはSP(スペシャルポイント)のゲージが1点溜まる。SPを消費することで、下記のSPスキルが使える。
SP(スペシャルポイント)スキル
プレイヤーだけが使える能力。溜まったSPゲージは消費することで、下記のことができる。
- 2SP:自機による攻撃でサイコロを振った後に使う。着弾枠の縦軸または横軸のサイコロをひとつ、出目を±1する。
- 4SP:自機による攻撃でサイコロを振った後に使う。着弾枠の縦軸または横軸のサイコロをひとつ、好きな出目に変える。
- 6SP:ターン(手番)開始時に使う。そのターン(手番)だけ、2回攻撃できる。
攻撃順番の確認
順番の値が低い方からターンが回る。
ターン(手番)時の攻撃
ターンが回ってきた機体は1回攻撃ができる。2回攻撃する場合は、開始時に宣言してSP6減らすこと。
攻撃は以下の手順で行う。
攻撃
①武装の選択
以下の2点を満たした武装をひとつ選んで攻撃する。どの武装も使えない場合、体当たりする。
・攻撃する武装の枠がすべて残っている。(2枠の武装は1枠でも破壊されると攻撃不可になる)
・攻撃する武装が接続状態(枠からコアまでの経路が辿れる)である。
武装名 | 略号 | 枠数 | 分類 | 効果の説明 |
---|---|---|---|---|
体当たり | 攻撃 | 1回攻撃する。武装がなくても使用できる。 (例:サイコロを1回振って、2-5の1ヶ所に着弾する) | ||
マシンガン | M | 1 | 攻撃 | 2回攻撃する。 (例:サイコロを2回振って、1-2,4-5の2ヶ所に着弾する) |
アサルトライフル | A | 2 | 攻撃 | 1回攻撃する。横軸±1の枠にも着弾する。 (例:サイコロを1回振って、縦-横の出目が3-4を出した時、3-3,3-4,3-5の3ヶ所に着弾する) |
ブレード | B | 2 | 攻撃 | 1回攻撃する。縦軸±1の枠にも着弾する。 (例:サイコロを1回振って、縦-横の出目が4-5を出した時、3-5,4-5,5-5の3ヶ所に着弾する) |
キャノン砲 | C | 2 | 攻撃 | 1回攻撃する。着弾すると、着弾枠の隣接枠にもダメージを与える。 (例:サイコロを1回振って、4-4の1ヶ所に着弾すると、4-4とその隣接枠にもダメージ) |
ガトリング砲 | G | 2 | 攻撃 | 3回攻撃する。 (例:サイコロを3回振って、4-3,2-1,5-5の3ヶ所に着弾する) |
誘導ミサイル | H | 2 | 攻撃 | 1回攻撃する。着弾枠を自由に指定する。 (例:プレイヤーが4-3を指定すると、4-3の1ヶ所に着弾する) |
■ 接続状態
接続状態とは、縦横斜めの隣接枠を通してコアまで辿れることを表す。
途中の枠が破壊され、どこからも辿れない時、それは接続状態とみなさない。
武装位置の公開
縦軸・横軸の数字と何の武装を使うか宣言すること。
例:3-4のマシンガンで攻撃します。
▼
②対象を選択
敵側の1体を選択して攻撃する。複数回の攻撃を別々の敵に1回ずつ攻撃などはできない。
▼
③着弾の有無
攻撃する側を“攻撃側”、攻撃を受ける側を“防御側”と呼ぶ。
どの枠に攻撃が当たるか攻撃側はサイコロを2個振る。これを“着弾枠”と呼ぶ。
■ 着弾枠を決めるサイコロ
先にどちらのサイコロが縦軸・横軸か決めておくこと。白い方を縦軸、黒い方を横軸にすると分かりやすい。また、サイコロがない場合は以下のURLを参照するとよい。
・誘導ミサイルはサイコロを振らずに、出目を指定する。
・攻撃側はSPスキルを使い、サイコロの出目を操作して着弾枠を変更(2SPでひとつの出目±1、4SPでひとつの出目を1~6)できる。
・着弾枠が防御側のシルエットの枠から外れた場合、回避(④⑤を省略)する。
▼
④ダメージの発生
着弾枠を破壊することを“ダメージ”と呼ぶ。
その枠の武装が頑丈タイプなら、1回だけ、はさみで切り込みを入れることにより、ダメージによる破壊を免れる(⑤を省略する)。
■ 切り込みは1回まで
一度切り込みを入れた枠に再度、切り込みを入れることはできない。
■ キャノン砲の効果
キャノン砲で枠に着弾した時、その枠のすべての隣接枠にもダメージを与える。
■ 装甲(◇)で切り込みによる肩代わり
防御側は着弾枠の隣接枠にある装甲へ切り込みを入れることで、ダメージを肩代わりさせられる。
武装位置の公開
縦軸・横軸の数字と何の武装を使うか宣言すること。
例:3-2の装甲に切り込みして、2-2のダメージを肩代わりします。
▼
⑤破壊処理
枠が破壊された場合、手で破壊された枠をちぎる。
戦闘不能
シルエットが以下のいずれかの状態になると戦闘不能になる。
①コアを破壊される。
②コアを含む部分が土台から切り離される。
③シルエットが倒れて自立できない。
自己破壊
自立できなくなった時、バランスを取るために枠を切り離せる。土台からコアを切り離すと戦闘不能とする。
自己破壊や脚部を折る作業中などでシルエットが一瞬倒れただけなのは、戦闘不能とはみなさない。
▼
次のターン(手番)へ
次の順番のターン(手番)になる。全機体のターン(手番)が終わったらラウンドの終了へ。
ラウンドの終了
そのラウンド中、(ダメージの有無は関係なく)1回も攻撃されなかった機体のSPを+3する。
6ラウンド目でない場合は、“ラウンドの開始”に戻る。
6ラウンド経過で戦闘終了した場合は、引き分けとなる。
ラウンド進行手順のまとめ
- ラウンドの開始
- 全機体のSP+1する。
- 攻撃順番の確認
- 順番の値が低い順からターン(手番)が回る。
- ターン(手番)時の攻撃
- 攻撃(武装の選択⇒対象の選択⇒着弾の有無⇒ダメージの発生⇒破壊処理)を行う。
- 次のターン(手番)へ
- 全機体のターン(手番)がまだなら「攻撃順番の確認」へ戻る。全機体のターン(手番)が終わったら「ラウンドの終了」へ。
- ラウンドの終了
- 誰にも攻撃されなかった機体のSP+3する。6ラウンド目でない場合は「ラウンドの開始」へ
戦闘不能の定義
シルエットが以下のいずれかの状態になると戦闘不能になる。
また、コアの隣接枠がすべて破壊されて何もできなくなった時、降伏を宣言して、自主的に戦闘不能となってもよい。
①コアを破壊される。
コア(☆)が破壊(破り取られたり、切り取られたり)されると戦闘不能になる。
コアへの1回目のダメージは、頑丈タイプにより、切り込みを入れるだけなので、戦闘不能とはみなさない。
②コアを含む部分が土台から切り離される。
シルエットを切りすぎてコアのある部分が土台から切り離されると戦闘不能になる。
土台とは下のシートのことで、通常は設置面を通して繋がっている。
③シルエットが倒れて自立できない。
倒れたか否かの定義は参加者で決めるとよい。
もし、裁定に悩むようであれば、以下を目安にすること。
シルエットのコアを含む部分が垂直から90°以上折れ曲がり、土台や机上などの床面に触れた状態は必ず倒れたとみなす。
シルエットの横部分が支えになって、70°未満の状態で姿勢を保てていれば、倒れる寸前として戦闘を続行してもよい。
自己破壊
自立できなくなった時、バランスを取るために枠を切り離せる。土台からコアを切り離すと戦闘不能とする。
自己破壊や脚部を折る作業中などでシルエットが一瞬倒れただけなのは、戦闘不能とはみなさない。
各武装のイメージ
武装名 | 略号 | 説明文 |
---|---|---|
コア | ☆ | シルエットの動力源。すべてのエネルギーはコアから供給されるため、コアからの経路を絶たれた部分は動かなくなる。 |
装甲 | ◇ | シルエットを守る爆発型の反応装甲。攻撃が当たる前に事前に爆発することで周囲の武装を守ることができる。 |
脚部 | ll | シルエットを地面から支えて運用するための機構。二脚だけでなく、多脚やキャタピラなど無数の形状が存在する。 |
マシンガン | M | 銃弾を連射する機関銃。シルエットにとっては小型武装。 |
アサルトライフル | A | 3点バースト機構により、一度に3発の銃弾を放つライフル型の武装。 |
ブレード | B | 刀身の長い白兵戦に特化した剣型の武装。 |
キャノン砲 | C | 砲身が長く、着弾時に炸裂する砲弾を放つ大砲型の武装。 |
ガトリング砲 | G | 無数の銃身を円状に束ねた武装。 |
誘導ミサイル | H | 誘導(ホーミング)式のミサイルを格納した武装。 |
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